ニュージーランドの医療制度ACCって何?

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ニュージーランドの医療制度を知るうえで欠かせないのがACCの仕組み。日本とはまったく勝手が違うので、とまどいや誤解もあるかもしれません。誤解は大きな問題につながっている場合もあります。永住者だけでなく旅行者も含んで事故の治療費や生活費も保障するこのACCを知る事で安心したニュージーランドの生活を。

1-1 ACCっていったい何?

ACC(The Accident Compensation Corporation)はニュージーランドで給与や国からの財源を基にした基金を使った社会保険制度で,仕事中の事故や怪我から交通事故やスポーツの怪我なども含んで、治療費だけでなく生活補償などを含み幅広く人身被害を保障します。ニュージーランド国民だけでなく滞在中の外国人に対しても、対象となる傷害の治療費については,原因を問わず(もちろん自損事故も)適用されます。

誰が保障されるのか?

ACCのホームページによると

Eligibility for injury cover for everyone in New Zealand
Everyone in New Zealand is eligible for comprehensive injury cover:

no matter what you’re doing or where you are when you’re injured, eg driving, playing sport, at home, at work
no matter how the injury happened, even if you did something yourself to contribute to it
no matter what age you are or whether you’re working – you might be retired, a child, on a benefit or studying.

ACCのホームページから引用

とあり、要は国籍やビザに関わらず(永住者から旅行者まで)ニュージーランドにいるどなたでも対象になる制度です。またNZの居住者は6か月以内の短い旅行であれば、海外での怪我をNZ国内で治療することもできる場合があります。ただし帰国費用や海外での治療費は含まれません。

ACCのサービス

ACCは怪我をした場合の治療費、もしその後の経過により自宅での療養のサポート、また怪我で仕事に行けないといった場合の収入の補填があります。

またこの怪我がもとで働くことが出来ないときは、その期間の収入分の(最大80%まで)給付を受けることができます。その他、通院費,身体的リハビリテーション,就業支援・再訓練,社会復帰のリハビリテーション,自立手当・介護サービス、怪我や傷害によっては住居・車の改造費用などが支払われます。障害をもってしまった場合には,一時金がその程度に応じて補償され,万が一死亡の場合は葬祭料および生存被扶養者への所得補償が支払われます。詳しくはACCのホームページを見てください。

受けられるサポートについてのACCのホームページ

ACCの使い方

怪我をした場合まず病院/GPなどで治療を受け、フォームを記入、病院が直接ACCに治療費を請求するので、大抵はACCと直接やり取りをすることは無いと思います。但しACCでその内容を審査するので、その結果によりACCの対象外とされ、後から治療費の支払い/請求が発生する場合もあります。

ACCの費用は誰が支払っているの?

ACCはすべて税金で払われていると思われる方も多いのですが、実は全部が税金というわけではありません。収入のある人で、雇用されている人は天引きされてして会社が払う、また自営業者は直接請求書がきます。収入のない人や子供、リタイアした人、はガバメントが税金からまかない、加えて, 自動車やバイクのレジストレーションから払われます。(ACC Levyと書いてあります。)

1-2ACCについてよくある誤解や気を付けた方が良いこと

とっても良い仕組みのACCですが、やはり過信は禁物です。良くある誤解や注意点など。

病気は対象になりません。

ACCの対象は怪我に限られていて、病気は対象外になっています。特に収入のサポートについては“ACCがあるから大丈夫”と聞くことがありますが、病気の場合の生活保護といったサポートはACCではありません。

またACCでカバーされた場合、大抵の病院では50—100ドルくらいのサーチャージ(手数料)を請求されます。(この金額はGPによって違い。大抵は掲示してあります。) このため現実的にはまったく負担がないわけではありません。日本だと国民健康保険で3割負担でも数百円~数千円で済んでしまうこともあり、ACCでカバーされているのに50~100ドルとい
う費用がかかるのが釈然としない方もいらっしゃるようですが、ACCも患者に対してこの請求を認めています。

無過失補償制度

ACCは無過失補償制度の考え方に則り作られています。このため一般的に加害者がいても、いなくても関係なく、何らかの事故の被害について補償を受けることが出来るのが特徴です。
このためこの補償を受ける場合は傷害に対する賠償責任を問うことは基本的に(懲罰的損害賠償請求を除いて)禁止されています。

簡単に言えば交通事故で怪我や死亡をしても人的な補償はACCの役割なのでその運転者に対して人的な損害賠償を請求することが出来ません。このためニュージーランドでは自動車保険にはいわゆる物損、自損しかなく対人がありません。一方、日本の場合、人身交通事故を起こした場合、高額な人的損害賠償や慰謝料を請求される場合があり、自動車保険も物損だけでなく人身を含んで設定されています。

ACCが対象外としたケース

個別のケースはわかりませんが、一般的に怪我と見えたケースでもACCが効かなかったケースもあるようです。このACCの決定への不服申立については,再審査を請求することができ,さらに不満があれば,ACCを相手取って行政訴訟を起こすことができます。